ハイランド

火事によって蒸留所の大半が焼失?グレンドロナックの特徴・ラインナップ・蒸留所の背景をご紹介!

スペイサイドとハイランドの境界にあるグレンドロナック蒸留所。

設立からわずか10年後に蒸留所のほとんどが火災により焼失してしまったことも。

他にも閉鎖など、幾多の困難を乗り越えてきた歴史を持ちます。

今回はそんなグレンドロナックの特徴や蒸留所の背景をご紹介致します。

スペイサイドとハイランドの境界にある蒸留所

まずは、グレンドロナック蒸留所の位置ですが、地図で確認するとこのようになっています。
グレンドロナック蒸留所 地図
(引用:google map)
グラスゴーやエディンバラからはちょっと遠いですね。
インヴァネスあたりからだと行きやすそうです。

どの辺がスペイサイドとハイランドの境界かというと、
スペイサイドとハイランドの境界
このようになっており、実際にグレンドロナック蒸留所が境界付近なのが分かります。
そのため、一応現在はハイランドに属していることが一般となっていますが、かつてはスペイサイドとして分類しているところもありました。

蒸留所が火災によって焼失?創業から現在まで

グレンドロナックは1826年、ジェームス・アラダイスを筆頭に共同事業体として創業されました。

蒸留所の運営を続けていくも10年後に蒸留所の大半が火事によって焼失してしまいます。

その後1852年にティーニニックのウォルター・スコット氏が買収。

彼の死後は ウィリアム・ティーチャー・アンド・サンズ社が買収し、
『ティーチャーズ』や『バランタイン』の構成原酒として使用されていました。

1996年に蒸溜所の操業を停止となるも、その6年後の2002年に生産を再開しました。

2008年にはベンリアック・ディスティラリー・カンパニーにより買収され、
さらに2016年にベンリアック社が米ブラウン・フォーマン社によって買収されました。
これ以後は現在までブラウン・フォーマン社の傘下にあります。

創業からわずか10年後に火事で焼失、幾多の買収や操業停止、まさに山あり谷ありですね。

グレンドロナックのラインナップ

グレンドロナックもまた数多くのラインナップを所持していますが、
その中でも有名なものをピックアップしていきたいと思います。

グレンドロナック オリジナル 12年

レギュラーになる12年です。
使用している樽は辛口の「オロロソシェリー樽」と極甘口に仕上がる「ペドロヒメネスシェリー樽」です。
辛口と甘口の二つが織りなす複雑さと、ふわっと感じられる甘い香りはまさに甘美という言葉がうってつけです。
非常に夢見心地にさせてくれる1本です。

グレンドロナック リバイバル 15年

こちらは15年以上の熟成期間を経て作られたものです。
2015年に一度終売になりましたが、2018年に再度取り扱いが開始されました。
歴史の部分で触れましたがグレンドロナックは1996年~2002年まで操業を停止しています。
つまり、その6年の空白が訪れることは明白だったわけですね。
再リリースに感謝です。

グレンドロナック アラダイス 18年

辛口のオロロソシェリー樽を100%使用して作られた1本。
ペドロヒメネス樽の甘口の要素が無い状態として比較して飲んでみるのも楽しそうですね。
オロロソ由来のドライな風味がありそうです。

グレンドロナック パーラメント 21年

オロロソシェリー樽とペドロヒメネスシェリー樽を使用して作られた、構成は12年と同じ1本。
長期熟成によるフレーバーの複雑さを12年と直に比較できます。

グレンドロナック ピーテッド

こちらはバーボン樽での熟成を行った後、
オロロソシェリー樽とペドロヒメネスシェリー樽で追加熟成をしたものをヴァッティングしています。
そして、使用されている原材料の麦芽はフェノール値25ppmのピーテッド麦芽。
それゆえにスモーキーな香りが現れます。
スモーキーさとシェリーの調和を楽しみたい方は是非。

ここまで代表的なものをご紹介しましたが、ラインナップとしてはまだいくつか存在します。
ぜひ、12年からお試しになって、気に入ったら他のボトルに手を出してみましょう。