アイランズ

世界最北端で作られる極上の酒!ハイランドパークの特徴・ラインナップ・蒸留所の背景をご紹介!

ハイランドパーク アイキャッチ

世界最北端の地に立っている蒸留所、ハイランドパーク。

蒸留所のあるオークニー諸島ではヴァイキングにゆかりのある土地と人々が関わっており、

ボトルの模様やコンセプトにも色濃く反映されています。

ハイランドパークという名前がついていますが、ハイランドモルトではありません。

蒸留所の位置する場所が、街から見上げた高台(ハイランド)にあることが由来になっているためです。

今回はそんなハイランドパークの特徴からラインナップ、蒸留所の背景をご紹介いたします。

ハイランドパークの場所

ハイランドパーク蒸留所はスコットランドでも最北の地にあり、大小約70個の島々で構成されるオークニー諸島のメインランドにあります。

野生動物の宝庫でもあり、アザラシやカモメも数多く存在。

オークニーも実は「アザラシの島」という意味だったりします。

地図で確認するとこのように。

地図で見ると最北であることが改めて確認できますね。

ハイランドパークの歴史

ハイランドパークの始まりは1798年にデビッド・ロバートソンが蒸留所を設立したことが始まりです。

~密造酒の伝説~

実はハイランドパークの地では密造酒を製造していたお話が残っています。

マグナス・ユンソンという人物が教会の牧師もしながら密造をしていました。

何より教会はウイスキーを隠すのに絶好の場所だったらしく、説教壇の下によく隠していたのだとか。

また、査察官が来ることがわかったらウイスキーを牧師館に運び、
白い布をかぶせて天然痘患者に見立てて、祈りを捧げたのです。

そして査察官を見事な手腕で追っ払ったのでした。

1816年(1818年という説も) にジョン・ロバートソンが蒸溜所の運営権を手にしますが、
実は彼はマグナス・ユンソンを捕えた徴税官だったのです。

その後、ロバートソン家が運営をしばらく続けますが、1869年に蒸溜所をスチュワート&マッカイへ売却することとなりました。

1878年 にグレンリベット蒸溜所のオーナーでもあったジェームズ・グラント新たな共同経営者となり、1895年には蒸留所をジェームズが購入、それ以降はグラント家での運営となりました。

ハイランド・ディスティラリーズ社が蒸溜所を1937年に買収し、
1979年に初めてののオフィシャルボトルである「ハイランド・パーク 12年」を発売しました。

1999年 エドリントン社とウィリアム・グラント&サンズ社が70%:30%で出資して共同設立した1887カンパニーにてハイランド・ディスティラリーズを買収しました。

これ以降は現在に至るまでエドリントン傘下で操業が続いています。

ハイランドパーク特有のピート

ハイランドパーク蒸留所では麦芽を乾燥させる際にピートの炊き込みを行っています。

ピートとは植物が炭化し、石炭になりかけのものを指します。

そのもととなる植物にも色々種類があり、アイラ島で取れるピートには海藻やコケがメイン。

ハイランドパークではホビスター・ムーアというところでピートを採掘していますが、

そこのピートはヘザーという花が炭化したものがメインとなっています。

ハイランドパーク独特の香りはこのヘザー由来のピートが大きな要因となっているわけですね。

ハイランドパーク ピート
(引用:https://www.highlandparkwhisky.com)

ハイランドパークのラインナップ

ハイランドパークでは幅広いラインナップがあります。

熟成年数表記があるものと、限定品のものがあります。

また、大半のボトルに装飾が施されており、
飲み終わった後のインテリアとしても有用ではないかと思います。

ハイランドパーク 12年 ヴァイキング オナー

スタンダード品にあたる12年熟成もの。
名前にヴァイキング オナーとあるように、ヴァイキングの名誉、精神や誇りといったものがコンセプトになっています。
新しくなったボトルの装飾も非常に美しく、見てるだけでも満たされる1本です。

ヘザーの花の優しい雰囲気と軽いピートの香り、
そして味わいはドライフルーツのような落ち着いた甘みとスモーク感が楽しめます。

ハイランドパーク 18年 ヴァイキング プライド

18年熟成もの。熟成期間が伸びたことによってアルコールの刺々しさがかなり抜け、
そして複雑な味わいが楽しむことができます。

人によっては18年こそがハイランドパークの真髄とおっしゃる方も。

ハイランドパーク 25年

25年の長期熟成もの。樽にはファーストフィルのシェリー樽を使用。

熟成感のあるオークや、ダークチョコレート、そしてはちみつのようなの豊かな甘みと、
優しいスモーク感を楽しめるウイスキーとなっています。

ハイランドパーク 40年

熟成期間が40年を超える長期熟成もの。

樽にはリフィルのシェリー樽から厳選したものを40年寝かせて原酒としております。

お値段からみて流石にボトルで買うのは厳しいですが、バーで並んでたらいつかは注文してみたい一品です。
(それでもお財布に余裕があるときに限られますが・・・)

ハイランドパーク ヴァルキリー

ヴァイキング レジェンド シリーズという限定品の第1弾にあたるもの。

熟成にはアメリカンオーク製のシェリーカスクとバーボンカスクが使用され、それぞれが掛け合わされて作られています。

バニラのような甘い香りとジンジャーのようなスパイシーな香り、

熟した柑橘系と青りんごのような味わい、そしてスモーキーさが感じられる1本です。

ハイランドパーク ヴァルクヌート

ヴァイキング レジェンド シリーズの第2弾にあたるもの。

熟成にはアメリカンオーク製のシェリー樽を使用。

味わいは第1弾のヴァルキリーより多少ピート香が強めです。

スパイシーな香りと味わいも健在で、甘さとの調和が楽しめる1本になっています。

ボトルの見た目で楽しもう!まだまだある限定品ハイランドパーク!

サクッとハイランドパークのラインナップをご紹介しましたが、実はまだまだ存在します。

しかし残念ながら日本では正規で流通していなかったり、販売が終了してしまったものが数多くあります。

そして限定品の特徴にはヴァイキングや北欧神話といったいろいろなものがモチーフになっているため、

ボトルを見るだけでも楽しめるものがたくさんあります。

ハイランドパーク ザ・ライト17年とザ・ダーク17年

ハイランドパーク ライト ダーク
(引用:https://www.highlandparkwhisky.com)
オークニー諸島の四季をモチーフにしたボトル。
ザ・ダーク(右側)では秋と冬をイメージし漆黒のボトルを、
ザ・ライト(左側)では春と夏のイメージで光り輝くさまがイメージされています。

ハイランドパーク ファイアエディションとアイスエディション

ハイランドパーク ファイア アイス
(引用:https://www.highlandparkwhisky.com)
アイスエディション(右側)は北欧神話の9つの世界の、下層に存在するとされる冷たい氷の国ニヴルヘイムをイメージしたものです。
ファイアエディション(左側)はそれに対して灼熱の国ムスペルヘイムがモチーフになっています。

ハイランドパーク 50年

ハイランドパーク 50年
(引用:https://www.highlandparkwhisky.com)
ハイランドパークの中で最高酒齢を誇る50年もの。
手作りのオークボックスの中に銀メッキの金属に包まれたクリスタルデキャンターとウイスキーが内包されています。
274本の超限定品。

 

 
やはり限定品のものは神話がモチーフになっていたりしてヴィジュアル面で「おおっ・・・!」となるボトルが多いように感じますね。

中二病心がくすぐられる気もします。

そして50年ものの高級感も凄まじいもので、なんというか、魂がそこにあるような迫力です。

ハイランドパークの限定品はこれ以外にも多数出しています。
旅先にふらりと見つけたりして、ビビッ!と気に入った物があれば購入してみると良いかもしれませんね。