ハイランドの東に位置するロイヤル・ロッホナガー蒸留所。
名前にロイヤルと入っているのにもわけがあります。
今回はその理由やロイヤル・ロッホナガー蒸留所の特徴、背景、ラインナップについてご紹介いたします。
ロイヤル・ロッホナガー蒸留所の場所
ロイヤル・ロッホナガー蒸留所は東ハイランドに位置しており、アバディーンに比較的近いです。
地図で確認するとこのように。
また、この蒸留所はディー川の上流域、そしてバルモラル城のそばにあり、一帯はロイヤル・ディーサイドとも呼ばれてるのだとか。
なお、バルモラル城は英王室の夏の休暇地として使用されているものでもあります。
ロイヤル・ロッホナガーの歴史とロイヤルの訳
現在のロッホナガー蒸留所は1845年に地元の資産家、ジョン・ベグという人物が設立したものになります。
しかし、1845年以前にもジェームス・ロバートソンという人がロッホナガーの前身となる蒸留所を立てていたのですが、
蒸留所を法律上の合法会議に出席したことに対して、
怒った非合法蒸留酒製造業者によって施設を全焼させられてしまう事態がなんと2回も!
ひどい話です。。。
そうしてジェームスは蒸留業から手を引き、1845年にジョン・ベグがあとを継いだことになりました。
ジョン・ベグが蒸留所を立ててから3年後の1848年、
ヴィクトリア女王と王配アルバート公が王室の邸宅としてバルモラル城を借り受け、避暑地として使用していました。
(引用:https://en.wikipedia.org/wiki/Balmoral_Castle)
そこでジョン・ベグは隣人となった彼らに”一度自分の蒸留所に訪れてみませんか?”と招待状を送りました。
すると翌日に突然女王一家が蒸留所を訪問!ジョン・ベグは蒸留所の案内を行いました。
この訪問から数日後、ジョン・ベグのもとにロイヤル・ワラント、つまり「王室御用達」が届けられました。
それ以来、蒸留所はロイヤルの名を冠して「ロイヤル・ロッホナガー」となり、上流階級の人々にも長知れ渡りました。
1882年にジョンは亡くなります。しかし蒸留所はすぐに他の人の手には渡らず、1902年にはジョンの孫が改築を行いました。
ジョン・デュワー&サンズに1916年に売却、その後DCLへ吸収されました。また、1963年に蒸留所の改築が再度入りました。
そして現在はディアジオの傘下で操業が続いています。
また、ロイヤル・ワラントは今は保持してはおりません。
ロイヤル・ロッホナガーのラインナップ
ロイヤル・ロッホナガーは蒸留所の規模が小さいのもあってか、2種類しかありません。
またシングルモルトウイスキーだけでなく、ブレンデッドウイスキーの原酒としての出荷もあります。
ロイヤル・ロッホナガー 12年
言わずもがな、スタンダード品に当たるものです。
紅茶のような上品な、やや甘酸っぱさを感じる香りとバランスの取れた味わいが楽しめます。
王室御用達を得た味をとくとお楽しみあれ。
また当時の女王はボルドーワインにロッホナガーを数滴垂らしてよく飲んでいたのだとか。
女王気分を味わいたい人はこの飲み方で試してもいいかもしれませんが、なんだか怒られそうですね(誰に?)。
ロイヤル・ロッホナガー セレクテッド リザーブ
毎年数千本しか世界に発売されず、とても希少性の高い商品です。
厳選した樽のみで作られており、まさに極上の一品です。
希少性が高いのもあってお財布にはなかなかの打撃を加えますが、12年を飲んでどハマリしたならば、試す価値はあるでしょう。
以上でロイヤル・ロッホナガーのシングルモルトとしてのラインナップは終わりです。
かなり数が限られているため、迷うこともあまりないでしょう。
ブレンデッドウイスキーの原酒として
先程多少触れましたが、ブレンデッドウイスキーの原酒としてもロイヤル・ロッホナガーは使われています。
・ジョニーウォーカー 青ラベル
・ジョニーウォーカー 黒ラベル
・VAT69
などなど、これらのブレンデッドウイスキーの材料にもなっています。
ジョニーウォーカーの青ラベルなんかはジョニーウォーカーシリーズで最高級銘柄のお酒ですね。
やはりロイヤルの名は伊達ではありません。
ブレンデッドウイスキーを飲んでロイヤル・ロッホナガーの要素が感じられたらまた楽しめそうですね!